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保険営業 契約取れない本当の理由4分類|人・商品・プロセス・環境から立て直す方法

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「なぜ契約が取れないのか…」
同じだけ動いているのに成果が伸びないと、ふとこんな疑問が頭をよぎる瞬間があります。
実際、多くの保険営業がこの停滞期に入り、アポ率・面談率・成約率のどこが原因なのか分からないまま、焦りだけが大きくなっていきます。

しかし契約不振の背景には、スキルだけでは説明できない
“構造的なズレ”が潜んでおり、そこに気づけるかどうかで結果は大きく変わります。

この記事では、成果が出ない本当の理由を〈人・商品・プロセス・環境〉の4領域から整理し、年収アップやMDRT達成につながる実践策を体系的に解説します。
読み進めるうちに、今のあなたに必要な最初の一手が、きっと自然に見えてくるはずです。

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目次

 「保険営業 契約取れない」と検索したくなる状況と、成果ゼロを自分だけの責任にしない考え方

契約が思うように取れない期間が続くと、多くの営業マンは「自分が向いていないのでは」と落ち込み検索に至ります。

しかし、“契約不振=個人の能力不足”とは限らず、商品特性・ターゲット選定・プロセス設計・会社の指導体制など、外的要因が複数重なっていることが少なくありません。

まずは感情的に自責へ走らず、状況を冷静に整理することが改善の第一歩です。
ここでは、契約が途絶える前に起きる兆候や、正しい捉え方を紹介します。

契約が途絶えるときに現れる“3つの危険サイン”

契約が止まる前には、徐々に以下のような変化が現れます。
まず、見込み客の質と量が低下し「会っても刺さらない」状態が増えます。

次に、面談数は確保できていても、決定までの流れが不自然に重くなり、提案の手応えが薄れていきます。
さらに、既存顧客からの紹介が途切れ、信頼関係が弱まっている可能性もあります。

これらは営業プロセスの一部が機能していないサインであり、単純に活動量を増やすだけでは改善しない問題です。
危険サイン一覧表

サイン 状況 起きている問題の例
見込み客の減少 新規が増えない ルート弱化・ターゲットズレ
面談の手応え低下 提案が響かない ヒアリング不足・価値訴求不一致
紹介が止まる 継続紹介が消える 関係構築の希薄化

 

 結果が出ない原因を「全部自分のせい」と思い込む心理

契約不振時、人は「自分のスキル不足だ」「向いていない」と考えがちです。
しかし成果は、個人の力量だけでなく、ターゲット市場・提案商品・営業プロセス・会社の教育環境など、多くの要素に左右されます。

自己否定が強くなると行動の質が下がり、さらに成果が出ない“負のループ”に陥ることもあります。
実際には、改善すべき点はスキルそのものではなく、「構造」や「手順」の場合が多いのです。

成果が出ない原因の分類(イメージ

区分 説明 影響度の目安
個人スキル ヒアリング・提案力 約20%
プロセス 面談設計・クロージング 約30%
市場 個人/法人などの違い 約25%
商品 ニーズとの適合性 約10%
環境 指導体制・社風 約15%

 MDRT志向の営業ほど陥る“努力の方向性ミス”とは

MDRTを目指す向上心の強い営業ほど、努力が“量に偏る”という誤りをしやすくなります。

個人マーケットだけに依存して単価の限界にぶつかる、説明過多で本質的価値が伝わらない、過去の成功パターンに固執して市場変化を捉えられない──こうしたズレが成果の伸び悩みに直結します。
努力が報われないと感じたときこそ、方向性を見直すことが重要です。

誤った努力 内容 結果
量だけ増やす アポ・訪問数頼り 単価が低く限界が来る
説明偏重 情報を詰め込みすぎ 顧客が価値を理解できない
固執 昔の成功手法を継続 市場変化に対応不可
市場固定 個人に依存 法人案件へ移れずMDRT届かない

 契約不振を乗り越えるための思考整理フレーム

契約不振期こそ、感情ではなく構造的な整理が必要です。
状況を「人・商品・プロセス・環境」の4つに分けて分析すると、改善すべきポイントが驚くほど明確になります。

スキルや性格ではなく、アプローチ手順や顧客との向き合い方、会社のサポート体制が原因のケースも多いため、闇雲に努力するよりも“何を変えるか”を先に決めることが重要です。

思考整理は不安を軽減し、改善に向けた最短ルートを描く手助け
になります。

 

原因整理の4分類

分類 確認ポイントの例
ヒアリング・提案力・メンタル
商品 顧客の状況に合っているか
プロセス 面談〜クロージングの流れ
環境 指導体制・会社の方針

参考:
金融庁監督指針、生命保険文化センターの「適合性原則」解説 金融庁+1

保険営業で契約が取れない本当の原因4分類【人・商品・プロセス・環境】

保険営業で契約が伸び悩むと、多くの営業マンは「自分のスキル不足」と考えがちですが、実際には原因が複数の領域にまたがっていることがほとんどです。

成果は、提案力や話し方といった
“個人の能力”だけでなく、市場と商品の相性、営業手順、会社のサポート体制などが複合的に影響します。

契約不振を改善するには、どこに問題があるのかを構造的に切り分けて把握することが重要です。

ここでは、成果が出ない理由を4つのカテゴリに分類し、それぞれの特徴と改善のヒントを整理します。

 人(スキル・メンタル)|ヒアリング不足・提案恐怖・行動量の偏り

契約率が下がっているとき、多くの場合“話し方や商品説明”ではなく、“ヒアリングの質”に課題があります。
顧客の価値観や将来の不安を深掘りできず、表面的な情報だけで提案してしまうと、説得力が弱くなり契約に結びつきません。

また、断られる恐怖から提案を控えたり、行動量だけを増やす一方で質が伴わないなどの問題も起こりがちです。
こうした状況は、個人の努力不足ではなく、スキルの方向性がズレていることが原因です。

人(スキル・メンタル)の典型的な症状

症状 状況の特徴 改善ヒント
ヒアリング不足 顧客理解が浅い 質問の型を持つ
提案恐怖 クロージングに踏み込めない 提案の目的を整理
行動量の偏り 面談は多いが成果が低い 活動の“質”を重視

 商品(提案内容)|自分が良いと思えない商品を売っている問題

営業マン自身が「この商品は本当に良い」と確信できていない場合、提案の言葉に説得力が生まれません。
顧客は細かい説明よりも“あなたの自信”を見ており、その揺らぎは必ず伝わります。

また、顧客のライフステージと商品が適合していないケースも多く、適合性原則を欠く提案は信頼を損なう原因となります。
商品理解の浅さやメリット・デメリットの整理不足は、提案力の低下に直結するため、根本の見直しが必要です。

商品領域のつまずきポイント

問題 内容 リスク
商品に自信がない 価値を伝えられない 説得力の欠如
顧客適合性の問題 ライフプランとミスマッチ 信頼低下
商品理解不足 メリット・リスクの整理不十分 不適切な提案につながる


 プロセス(営業手順)|初回面談〜クロージングの流れが曖昧

契約率が伸びない理由として最も多いのが、営業プロセスが“属人的”で「なんとなく進めている」状態になっている点です。
初回面談で何を確認すべきか、提案の組み立てやクロージングのタイミングなどが曖昧なままでは、顧客の意思決定を後押しできません。

また、再勧誘の禁止や不招請勧誘NGの観点からも、プロセス管理は重要であり、適切なタイミングで必要な説明責任を果たすことが求められます。
プロセスの見直しは契約率改善に直結します。

なぜ“プロセス標準化”が契約率を押し上げるのか
● 顧客が「話の流れを理解しやすくなる」ため、意思決定が早まる
● 営業の個人差(話し方・経験年数)に左右されにくくなる
● 意向把握・リスク説明・確認事項などの“説明義務”の抜け漏れがなくなる
● 面談の質が安定することで、紹介・追加契約が発生しやすくなる
● 一度仕組み化されると、提案資料や質問の順番も整い改善スピードが加速する

正しいプロセスの全体イメージ(曖昧→明確へ

ステップ 目的 重要ポイント
初回面談 顧客理解・意向把握 質問の順序を固定。商品の話は最小限。
課題整理 顧客の不安を可視化 数字・将来像・優先順位を整理する。
提案設計 3パターン作成 最適案・標準案・必要最低限で比較可能に。
クロージング 意思決定支援 テストクロージングで温度感を確認。
フォロー設計 解約防止・紹介 年1〜2回の更新確認を仕組み化。

 環境(会社・チーム)|ノルマ文化・研修不足・属人的指導の限界

契約率が伸びない要因として意外に見落とされやすいのが、「会社・チーム側の環境」です。
ノルマ中心の文化では、短期成果ばかりを求められ、顧客理解より“数”を追う体質になりやすく、適合性原則や説明義務が軽視されるリスクも生まれます。

また、研修が座学のみで実践型ロープレがない会社では、提案の流れやクロージングが習得できず、成績が担当指導者のレベルに左右される“属人化”が発生します。

環境要因は個人の努力だけでは変えにくく、成果の頭打ちを生む最大要因になり得ます。

なぜ“環境”は成果を左右するのか
● ノルマ一辺倒の組織では、顧客より数字が優先され、営業が疲弊する
● 研修が弱いと、提案手順・質問の型・クロージングが習得できない
● 指導者のスキル差が大きいと、成績が“運”に左右されてしまう
● 見込み客管理・提案資料・ロープレなどの“仕組み化”がないと、誰も成長できない
● 環境が整っていない会社ほど、離職率が高まり、チーム全体の知識レベルが下がる

改善のために見直すべき「環境チェックリスト」

チェック項目 YES NO
体系化された面談プロセス(質問→提案→クロージング)がある
現場ロープレが月1回以上実施されている
法令順守(不招請勧誘・再勧誘禁止・適合性原則)の教育が徹底されている
事業承継・法人保険など高単価領域の研修がある
紹介が自然に生まれるフォロー体制が会社として整備されている
指導者によって教え方がバラバラではない

 自分がどの原因タイプに当てはまるのかを診断する方法

契約が取れないとき、最初にやるべきことは「原因の正確な分類」です。

保険営業の成果を左右するのは 人(スキル)・商品(提案内容)・プロセス(手順)・環境(会社) の4要素であり、自分がどの領域でつまずいているのかが分かれば、改善の方向性が一気にクリアになります。

ここでは、各タイプを最も特徴づける“3つの要点”に絞った簡易チェックを用意しました。
まずは肩の力を抜いて、自分の今の状態を客観的に見つめるところから始めましょう。

4分類セルフ診断
① 人(スキル・メンタル)タイプ
● ヒアリングが浅く、深掘り質問が続かない
● クロージングの一言がなかなか言えない
● 結果が出ないと行動量が極端に落ちる

→ YESが多い人:
「質問力」「意思決定の後押し」「メンタル管理」が改善ポイント。

② 商品(提案内容)タイプ
● 自分が扱う商品に“心からの自信”が持てない
● 提案が“保証の説明”に偏り、価値が伝わらない
● 比較提案(3パターン)が作れず、説得力が弱い

→ YESが多い人:
「商品理解」「価値の翻訳」「提案の幅づくり」が最重要。

③ プロセス(営業手順)タイプ
● 初回面談が雑談で終わることがある
● 提案→テストクロージング→判断支援の流れが曖昧
● 次回アポ設定が“また連絡します”で終わる

→ YESが多い人:
「手順の標準化」「流れの固定」「質問シナリオ」が改善の鍵。

④ 環境(会社・チーム)タイプ
● ノルマが強く、短期の数字だけを追わされる
● ロープレ・実践研修がほぼ無い
● 指導者によって教え方や質がバラバラ

→ YESが多い人:
“自分の努力”より“環境”を変えるほうが成果が早く伸びるタイプ。

診断結果の使い方
● YESが最も多いカテゴリーがあなたの“主原因”
● 2番目に多いものが“副原因”
● 主原因 → 副原因の順に改善すると成果が出る
● 人・プロセスは個人改善で伸びやすい
● 商品・環境は“外部研修”“乗合代理店への移籍”で劇的に改善することも多い

参考:金融庁+1

 契約が取れない保険営業がやりがちなNG行動と、今すぐやめるべき習慣

契約が伸びない時期ほど、多くの営業マンは「活動量を増やす」「とにかく当たる」方向へ走りがちですが、実際には“やり方そのもの”が間違っているケースがほとんどです。
特に保険営業は、顧客心理が繊細で、法令による勧誘ルールも厳格なため、NG行動が続くと契約率の低下だけでなく、信頼の喪失にもつながります。

まずは自分が無意識にやってしまっている行動を整理し、改善すべき習慣を早めに修正することが重要です。
ここでは、成果が出ない営業が共通して陥る代表的なNG行動をまとめ、その理由と改善方向を明確にします。

 ノルマ優先で「売り込み感」を出してしまう

ノルマが迫っている時期ほど、営業マンは無意識に“契約を取らなければ”という焦りを表情や言葉ににじませてしまいます。
これが顧客にとっては「売られそうだ」という防御反応を生み、話を聞く姿勢が弱くなり、結果として成約率がさらに下がる悪循環につながります。

特に保険は目に見えない商品であるため、売り込み感が出た瞬間に顧客の警戒度が一気に上がります。
また、焦りから強引なアプローチに傾くと、不招請勧誘や威迫的な勧誘と誤解されるリスクもあります。

ノルマではなく「顧客の課題」を中心に置き直す姿勢が、結果的に契約を引き寄せる大前提になります。

売り込み感を消すための“即効3ポイント”
① 「今日は売りません」と冒頭で宣言する
→ 顧客が安心し、ヒアリングが進みやすくなる。

② ノルマの焦りを一切口にしない
→ 数字事情は顧客に無関係。
伝わった瞬間に信頼は下がる。

③ 価値提供 → 意向確認 → 比較提案の順に話す
→ 手順が整理されると、押し売りを避けつつ判断を支援できる。

 初回面談でいきなり商品説明を始めてしまう

契約が取れない営業に共通するのが、「初回面談=商品説明の場」と誤解してしまうことです。
顧客の価値観・将来の不安・優先順位が分からないまま説明を始めると、提案の軸が定まらず、適合性原則に反するリスクも高まります。

また、保険は専門用語が多く、
初回から説明中心になると“情報過多”になり、顧客は判断を避けてしまいます。
初回面談の本来の目的は“売ること”ではなく“理解すること”

顧客理解が深いほど、後の提案が「売り込み」ではなく「必要な話」へと自然に変わり、契約率は劇的に上がります。

初回面談でやるべきこと(説明より“聞く”が8割)
① 顧客の価値観を掘り下げる質問
「これからの生活で大切にしたいことは何ですか?」
→ 不安・優先順位を把握。

② ライフイベント・将来像の確認
結婚・子育て・老後など、時系列で深掘り。
→ 提案が個別化され、適合性が高まる。

③ 保険加入経験・現在の契約を確認
転換提案が誤認にならないよう、意向把握を丁寧に。

お客様任せ(御用聞き営業)でクロージングを避けてしまう

保険営業で“売り込み”を避けたい気持ちが強いほど、営業マンは「必要なら言ってください」「ご希望があればご連絡ください」と顧客に決定を丸投げしがちです。

しかし保険は複雑で、顧客自身が“どこを基準に判断すればいいのか”分からないままでは決断が進みません。
その結果、「検討します」で終わる面談が増え、成約率は大きく低下します。

また、判断を支援しないことは、意向把握や必要な説明が不足しやすく、適合性原則の観点でもリスクにつながります。
クロージングは「押す」行為ではなく、顧客の意思決定をサポートするための必須プロセスです。

御用聞き営業が危険な理由
● 保険は“比較・判断”が難しいため、顧客は判断を避ける性質がある
● 営業が後押ししないと、優先順位が下がり見込み客が自然消滅する
● 意思決定プロセスを伴走しないと、誤解や不安が残ったままになる
● 判断を顧客に丸投げするほど、提案価値が伝わらない
● 結果として、時間だけが過ぎて“検討疲れ”を起こす

クロージングは“決めさせる”ではなく“決めやすくする”技術
① 悩みの言語化を代わりに手伝う
「何が気になりますか?」ではなく
「多くの方が迷うポイントは3つあります」と整理して提案。

② 選択肢を3つに絞って比較できる状態にする
→ 選ぶ基準が明確になり決断が進む。

③ テストクロージングで温度感を確認する
「ここまでのお話で、方向性は合いそうでしょうか?」
→ 押し売りではなく“温度確認”なので嫌われない。

3つ当てはまれば“御用聞き営業”タイプです

チェック項目
面談の最後が“次回の約束なし”で終わることが多い
「必要ならご連絡ください」を言いがち
顧客が自分から決断を切り出してくれると思っている

 他社・他商品を否定して自社の正義を押しつける

成果が出ない営業が陥りやすいのが、他社商品を否定して自社商品の良さを過度に強調するアプローチです。
一見すると自社の優位性を示しているつもりでも、顧客からすれば「営業都合で誘導されている」と感じ、信頼を大きく損なう原因になります。

また、保険募集では“公正・客観的な比較”が義務付けられており、恣意的に競合を下げる説明は誤認や不当表示につながるリスクがあります。
他社否定は短期的には響くように見えても、長期的な関係性や紹介を完全に断ち切る最悪の行動と言えます。
本当に成約率が高い営業は、「他社否定」ではなく「顧客の価値観に沿った選択肢提示」を徹底しています。

他社否定がもたらす3つのデメリット

デメリット 内容 顧客の反応
信頼低下 営業の主張が偏って見える 「本当に私のため?」と疑念が湧く
比較推奨のルール違反リスク 客観性のない比較はNG 法令順守面で不利になる
市場全体を狭める 自社都合の説明で誤認が生じる 他社に相談しにいく原因に


“否定ではなく比較”に変えるための3ステップ
① まず顧客の選択基準を明確にする
→ 価格・保障範囲・将来のリスク、どれが優先かを整理

② 客観的な項目で並べて説明する
例:
保険料
保障額
付帯サービス
解約時の取扱い
※ 主観・印象ではなく「事実ベース」で比較

③ 結論は“顧客自身”に委ねる
「どれが一番納得できそうですか?」
→ 営業主導ではなく“顧客主導の決断”を促す。

今日からできる“否定しない営業”のコツ
● 結論を伝える前に「比較ポイント」を共有する
● 他社を下げず、「自社が選ばれる理由」を事実で示す
● 選択肢は必ず複数提示し、顧客に選んでもらう

「自分には向いてない」と学習・改善を止めてしまう

契約が取れない時期が続くと、多くの営業マンは「自分には才能がない」「向いていない」と思い込み、学習や改善への意欲を失いがちです。
しかし、保険営業の成果は“性質”ではなく“技術の積み上げ”によって決まります。

ヒアリングの型・提案の順序・クロージングの手順などは、練習すれば誰でも習得できるスキルであり、停滞期こそ成長の転機になります。
逆に、学習を止めてしまうと、誤った営業習慣が固定化され、市場の変化にも対応できなくなり、伸び悩みが長期化します。
向き不向きではなく、改善を続けるかどうかが契約率に大きな差を生むのです。

成長する営業が必ず実践している3つの習慣
① ロープレで“質問・提案・クロージング”を反復練習
→ スキルが短期間で安定し、成果が早く出る。

② 面談の“振り返りメモ”を必ず残す
→ 改善点が可視化され、自己流のクセを修正しやすい。

③ 外部研修・動画講座で成功パターンをインプット
→ 所属先の環境に左右されず、成長スピードが加速する

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 契約率を上げるための実践プロセス改善【見込み客→アポ→面談→クロージング→フォロー】

保険営業は、感覚や根性だけでは成果が安定しません。
成約率が高い営業ほど、見込み客の選定からアポイント、初回面談、クロージング、アフターフォローまでを“再現可能なプロセス”として整えています。

特に生命保険の募集では、不招請勧誘の禁止・再勧誘禁止・適合性原則など、各段階で守るべきルールが明確にあり、そのルールを守りながら判断支援を行うことが成約率向上の大前提になります。

プロセスを流れで捉えられるようになると、「偶然の契約」ではなく「狙って取れる契約」が増え、紹介や法人案件へ発展する“伸びる営業の型”が作られます。

成約率が上がる営業プロセスの全体像(5ステップ

ステップ 目的 成果につながるポイント
① 見込み客 会うべき相手を選ぶ ターゲット絞りと優先順位づけ
② アポ 面談の合意形成 断られにくいアポトーク設計
③ 面談 顧客の価値観と言語化 質問の型+適合性の確認
④ クロージング 意思決定の支援 テストクロージング+比較提案
⑤ フォロー 解約防止・紹介創出 継続管理と関係構築

 

プロセスが整うと契約率が上がる理由
● “偶然の契約”ではなく“再現性のある契約”が積み上がる
● 適合性・説明義務を確実に満たせるため顧客が安心する
● 不要な失注が減り、紹介案件が増えやすくなる
● どの段階で壁があるかを数値で把握できる
● 法人保険・事業承継のような高単価領域に挑戦しやすくなる

まず確認したい「あなたの営業プロセスの弱点」

チェック項目
見込み客リストが“思いつき”で作られている
アポの話法が固定化されていない
初回面談の質問が毎回バラバラ
クロージングのタイミングが掴めていない
フォローの手順が曖昧で、紹介がほぼ出ない

3つ以上当てはまる場合、あなたの成果が伸びない原因は「スキル」ではなく「プロセス」にあります。

 見込み客|“本当に会うべき人”を選ぶリスト化と優先順位づけ

契約率を上げる最初のポイントは、「誰に会うか」を戦略的に決めることです。
見込み客リストが思いつきベースだと、そもそも保険の必要性が低い相手や、関係性が薄い相手に時間を使ってしまい、アポ率・契約率ともに低下します。

また、個人向けでは不招請勧誘が禁止されているため、顧客からの依頼(相談・資料請求・紹介)が前提となり、リスト精度は成果に直結します。
会うべき相手を“条件”で選ぶと、無駄な接触が減り、ヒアリングの質も向上します。
ここでは、再現性のある見込み客管理の基本をまとめます。

見込み客の分類は“温度×期待値”の2軸で決める

タイプ 状態 特徴
A:高温×高期待 相談・紹介・過去顧客 最優先でアポ化する層
B:中温×中期待 面談経験あり・悩み明確 深掘りで成約に近づく層
C:低温×低期待 関係性が薄い・ニーズ不明 時間投資の優先度は低い
X:NG層 不招請勧誘に当たる個人 法令順守の観点から除外

優先順位づけの実践ステップ
1.まず全見込み客を“温度×期待値”で分類する
2.Aタイプ(高温)を最優先でアポ化
3.Bタイプは課題深掘りで面談価値を高める
4.Cタイプは追わず、情報提供に留める
5.X層(不招請勧誘に該当)は除外し、ルール遵守

 アポ|断られにくいアポトークと3種類のアポイント設計

アポ取得は契約率改善の重要ステップですが、もっとも離脱しやすいポイントでもあります。
特に個人向けは不招請勧誘が禁止されているため、相談依頼・紹介・資料請求など 顧客からのアクションが前提。

そのうえで「断られにくい理由づけ」を提示できるかが成功率を左右します。
一般的な営業トークのように“お願いベース”で時間を奪うと確率は下がり、逆に 「相手にとってのメリット」 を冒頭で提示すると成功率が上がります。

また、アポの種類(目的・深さ)を分けて設計することで、無理なクロージングを避け、適正なプロセス管理が可能になります。

“断られにくい”アポトークの基本構造
相手中心のメッセージに変えるだけで成功率が大きく変わります。

 NG例:営業側の都合を押し出す
● 「一度お話を聞いてください」
● 「15分だけ時間をください」

正しい例:相手のメリットを先に提示
● 「最近ご相談が増えている●●について、最新の制度変更だけ簡単に共有できます」
● 「将来の保険料のムダを防ぐポイントを、5分でまとめてお伝えできます」

アポの質を左右する“導入フレーズ”の例
● 「いま多くの方が見直している●●について、プロとしての注意点だけ短くお伝えできます」
● 「もし将来の保険料負担を最適化したい場合、2つだけ確認しておくべきポイントがあります」
● 「ご状況次第では何もしないほうが良いケースもありますので、その判断材料だけ共有できます」
→ “売られる感”をなくし、相談しやすい環境をつくるのが目的。

 面談|悩み・将来像を引き出すヒアリングの型

面談で契約率が大きく分かれる理由は、「商品説明よりも先に、悩み・価値観・将来像をどれだけ深く聞けたか」でほぼ決まるからです。
多くの営業が初回面談で商品や設計書に話を寄せてしまい、顧客が本当に気にしている“人生の優先順位”を引き出せていません。

さらに、不招請勧誘の観点からも、いきなり商品の話に入るのはNGであり、まずは状況把握(ヒアリング)に徹することが求められます。
適切なヒアリング型を持つだけで、顧客の判断材料が整理され、提案の受け入れられやすさが大きく変わります。

面談で使うべきヒアリングの型(3ステップ)

ステップ 目的 質問例
① 状況整理(事実の把握) 現在の生活・仕事・家族構成・保険加入状況を可視化 「いま加入している保険の目的はどんな点でしょう?」
② 価値観の深掘り(本心の理解) 優先したい価値・不安・将来の理想像を引き出す 「もし10年後が安心な状態だとしたら、どんな未来をイメージしますか?」
③ ギャップ確認(課題認識) 理想と現状の差を本人に気づいてもらう 「その理想に対して、現状で足りていないと感じる点はありますか?」

面談時に避けるべきNG行動(3つでも当てはまれば要注意)
● 商品パンフレットを早い段階で出す
● 顧客の話を途中で遮り、論点を営業側が誘導する
● 目的が曖昧なまま設計書の説明に入る
● 「この商品が一番正しい」という断定口調になる

面談の質を高める“メモの取り方”
● 事実・価値観・不安・理想の4分類で書き分ける
● 顧客の言った言葉をそのままメモ(意訳しない)
● 数値(年齢・働き方・収入・家族構成)は必ず整理
● 将来像は「いつまでに」「どんな状態」を明確に記録

 法令順守の観点(必須)
● 初回面談でいきなり商品説明に入るのは 不招請勧誘のリスク
● 提案前に「ご状況の整理が目的」であることを明示する
● 適合性原則:顧客の知識・経験・ニーズに合わない提案はNG
● 個人情報(健康状態・資産背景)は同意を得て確認する

クロージング|テストクロージングと3パターン提案の準備

クロージングは「売り込む作業」ではなく、面談で整理した価値観・将来像をもとに“最適な選択肢を提示する工程”です。
にもかかわらず、多くの営業が「タイミングのズレ」や「提案の一択化」によって、顧客に負担を与えてしまいます。
特にテストクロージング(感触確認)をせずに本提案へ進むと、相手が迷ったままで理解度が不足し、結果として不成約や再考扱いになりやすいのが実態です。

また、比較推奨販売の観点からも、複数案を公正な根拠に基づいて示すことは非常に有効で、適合性原則にも沿った提案が可能になります。

クロージング成功のための“テストクロージング”
テストクロージングとは「本提案の前に、意思確認を小さく取る質問」のこと。
抵抗を与えず、顧客の理解度と温度感を測ることができます。

よく使うTC質問例
● 「ここまでの話で、不明点や気になる点はありますか?」
● 「方向性としては“保障を厚くする”で問題なさそうでしょうか?」
● 「いまの内容で検討を進めても良い感触でしょうか?」
→ TCで違和感がなければ本提案へ、違えばヒアリングに戻る。

提案を“一択にしない”ための3パターン設計
複数案を比較してもらうと、顧客はより合理的に判断でき、後悔や解約リスクが減ります。

パターン 内容 メリット
① ベーシック案 必要最低限の保障・保険料 迷いにくい、最も説得力がある
② バランス案 保障と保険料のバランスが良い一般的な案 顧客の選択肢として自然
③ 充実案 将来想定リスクを広くカバー 比較軸が明確になり選ばれやすい

→ 最も選ばれやすいのは②だが、3案比較が“客観性”を生む。

クロージング時に話すべき“3つのポイント”
● 「なぜこの提案なのか」 を価値観ベースで説明
● 費用・保障内容・リスク を客観データで整理
● 決める期限を顧客が設定する(営業側が急かさない)

 NGクロージング例(3つでも当てはまれば要注意)
● 「この商品が一番お得です」と断定
● 1案だけを強引にすすめる
● 顧客の検討プロセスを急かす
● テストクロージングなしで設計書だけ説明
● 他社商品を否定して差別化しようとする

フォロー|解約・離脱を防ぎ紹介を生むアフターフォローの仕組み化

フォローは「契約後の作業」ではなく、「次の契約・紹介を生み出す資産形成のプロセス」です。
しかし多くの営業が契約後に連絡頻度を極端に減らしてしまい、顧客の不安を拾えず、気付いた時には解約につながっているケースも少なくありません。

また、再勧誘の禁止の観点からも、無理なアップセルはNGであり、あくまで“情報提供・状況管理”をベースにしたフォロー設計が求められます。
適切な頻度と内容で接点を維持することで、顧客の信頼が積み上がり、結果として紹介が自然に発生しやすくなります。

 アフターフォローの基本構造(3レイヤーで設計)

レイヤー 内容 目的
① 定期連絡(3〜6ヶ月に1回) 制度変更・市況・保険料関連の情報提供 解約リスクの早期発見・関係維持
② 年次点検(年1回) 家族構成・収入・働き方の変化確認 保障の過不足・今後の方向性を可視化
③ 重要イベント時(随時) 結婚・出産・住宅購入・転職の報告対応 顧客の“人生の節目”で最適提案

フォローの質を高める5つのポイント
● “売り込みゼロ”の情報提供スタンス
→ 「制度変更」「最新データ」の共有は顧客に喜ばれやすい

● 顧客の“変化”を把握する質問フレームを持つ
→ 年齢・収入・家族・職業などの変化は保障にも必ず影響

● 相談されやすい連絡手段を揃える(電話・メール・LINEなど)
→ ただしSNS勧誘NGの社内ルールには要注意

● 相談が来たときは48時間以内に返信
→ 対応スピードが信頼の大きな要因

● 紹介が発生する自然な流れをつくる
→ フォロー満足度が高いと「誰かに話したい」状態が生まれる

紹介が自然と発生する“信頼スコア”の作り方
● 連絡の目的は常に“顧客の判断材料を増やすため”
● 連絡頻度は“多すぎず・少なすぎず”に設計
● 顧客の将来像・価値観に沿ったフォローを徹底
● 契約内容ではなく“関係性”を維持することを優先
● 小さな相談にも即レス(48時間以内)で対応する

「契約取れない」状態から年収アップ・MDRT達成につなげる戦略設計

契約が取れない時期でも、正しい戦略を設計すれば年収は着実に伸ばすことができます。
特にMDRT基準(年収約1,400万円)を目指す営業にとって重要なのは「行動量」ではなく “行動の質を決める設計” です。

契約不振の原因を整理し、得意領域を活かせる市場・商品・働き方を選ぶことで、成果カーブは大きく変化します。
また、個人営業だけに依存せず、法人・事業承継領域に徐々に広げることで、高単価案件による収入安定化も可能です。

以下では「今どこに課題があるのか」→「どの市場を伸ばすべきか」→「MDRTまでの数字設計」の順番で、ロードマップを体系的に整理します。

ステップ1:まず“伸びしろ”を見える化する(原因×市場×強み)
契約不振 → 原因タイプ → 改善すべき領域を、シンプルに以下の3軸で整理します。

何を確認する? 改善の方向性
① 原因 人・商品・プロセス・環境のどこに問題があるか 営業スキル or 環境のテコ入れ
② 市場 個人・法人・事業承継のどれを伸ばすべきか 単価UP・紹介増加を狙う
③ 強み 雑談・関係構築・分析・専門知識など 自分の得意領域を最大化

→ 3軸のどれを伸ばすかで 年収500万 → 800万 → 1200万 → 1400万(MDRT) のルートが決まります。


ステップ2:年収UPに直結する“市場選択”の考え方
市場別の年収インパクト

市場 特徴 年収への影響
個人マーケット 成約まで早いが単価は低め 安定しやすいが上限が低い
法人マーケット 決裁者と会えると一気に進む 単価UP・紹介増が起こりやすい
事業承継マーケット 税務・財務の知識が必要 1件のインパクトが最大級

→ MDRTを目指す場合、個人マーケットだけでは到達が難しく、法人→事業承継の順で拡大が必須

ステップ3:MDRT達成までの“逆算式ロードマップ”
年収を上げたい場合、数字から逆算するのが最も確実です。

■ MDRT達成の基準(2025年)
● 年収目安:約1,400万円
● COT:3,000万円
● TOT:7,000万円
引用:MDRT日本会「2025年度MDRT入会基準(暦の2024年)」

■ MDRTに必要な年間生産量のイメージ

年収目標 必要成約数(例) 必要市場
500万円(平均) 個人10〜15件程度 個人中心
800〜1,000万円 個人15〜20+法人数件 個人+法人
1,400万円(MDRT) 法人(中小企業)5〜10件+個人数件 法人+事業承継

法人案件の獲得が、MDRT最短ルート。

ステップ4:スキルと働き方の最適化(上位層の共通点)
● MDRTレベルの営業ほど、以下の3点を徹底しています。
● 案件単価を上げる(個人→法人→事業承継)
● 自分の強みに合ったマーケットに集中する

環境を変えて成長角度を上げる(乗合代理店等)
→ 専門チーム・研修・商品選択肢が増えるため、生産性が3倍化するケースも多い。

ステップ5:年収UP戦略を1枚にまとめるとこうなる

ステップ 具体内容
① 原因特定 スキル・商品・プロセス・環境のどこかを明確化
② 市場選択 個人の限界を見据え、法人→事業承継へ拡大
③ 数字逆算 MDRT基準から年間成約・アポ数を逆算
④ 強み×環境最適化 得意領域に集中し、必要なら転籍も検討
⑤ PDCAの仕組み化 フォロー・アポ・面談を型化して再現性UP

 自分の年収モデルを計算する「成約率×単価×活動量」

年収を上げるために最も重要なのは、感覚ではなく 「数字で自分のビジネスモデルを把握すること」 です。

多くの営業マンが“行動量を増やす”ことばかりに意識を向けますが、実際に年収を決めているのは 成約率(質)×案件単価(市場)×活動量(量) の掛け算です。

この3つのどれがボトルネックになっているかを特定すると、生産性の伸び方は一気に変わります。
また、MDRTの基準年収(約1,400万円)を狙う場合でも、この3要素を調整すれば“再現可能なモデル”が作れます。

年収モデルを構成する3つの要素

要素 意味 よくある課題 改善方法
成約率 アポ→契約の転換率 初回面談で商品説明が早い / クロージングが弱い 面談の型化・TC導入
単価(市場) 1件あたりの売上 個人案件が中心で単価が低い 法人・事業承継へ拡大
活動量 アポ数・面談数など 行動がブレる・月ごとに偏る 週間行動のルーティン化

→ どれが欠けても、年収は上がらない。

以下は、一般的な生命保険営業のモデルケースです。
年収別のモデル例

目標年収 成約率 1件単価 年間成約数 必要面談数 市場イメージ
500万円(平均) 20% 25万円 20件 100件 個人中心
1,000万円 25% 40万円 25件 100件 個人+小規模法人
1,400万円(MDRT) 30% 80〜150万円 10〜15件 30〜50件 法人・事業承継

※平均年収500万円:厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」より
→ MDRTは“活動量”よりも“単価の市場シフト”で達成しやすい。

 

年収を3倍にするために最も効くレバーはどれ?

結論:
● 年収は「単価」を上げるのが最速。
● 成約率は通常10〜30%の範囲でしか上がらない
● 活動量は時間的限界がある
● 単価(市場)だけは10倍以上に伸びる

だからこそ、個人マーケットだけでは頭打ちになり、
法人 → 事業承継に広げる必要がある。

 “今日からできる”簡易セルフ計算ステップ
● 自分の成約率(アポ→成約)を算出
● 過去6ヶ月の平均単価を出す
● 月間面談数・アポ数の平均を記録
● 表に当てはめて、どの要素を伸ばすべきか判断
● 「どの市場なら単価が2倍以上になるか」を検討

 MDRT達成者が共通して持つ“時間と数字の管理習慣”

MDRTクラスの営業は「才能」よりも 時間と数字を管理する仕組み が圧倒的に強い特徴があります。
同じ行動量でも成果が数倍違うのは、見込み客・アポ・面談・成約の各プロセスを“数値化→改善”できているからです。

また、活動時間の使い方も明確で、迷い・無駄な作業がほとんどありません。
特に年収が頭打ちになっている営業は、感覚ベースで動いていることが多く、逆に数字管理を取り入れた瞬間に契約率が改善するケースが多くみられます。

ここでは、MDRT常連者に共通する 「時間管理」×「数字管理」 の実践ポイントを、再現性の高い形でまとめます。

MDRT達成者が徹底している“1日の時間配分”
MDRTレベルほど、1日の中で「売上に直結しない時間」を極端に減らします。
以下は多くの上位者に共通する時間の使い方です。

■午前:アポ取得・フォロー(思考がクリアで断られにくい時間帯)
■午後:面談(決裁者に会いやすい時間帯)
■夕方:記録・振り返り(数字整理・PDCA)
■事務作業は “夜にまとめて15〜30分だけ” に圧縮
■重要案件の準備は 朝イチの集中時間に固定
感覚で予定を入れず、“時間帯の特性”を理解して配置しているのが特徴。

成果が頭打ちの営業が陥りがちなNG管理習慣
● アポ数・面談数を記録していない
● 月末だけ追い込み、月初は“気持ちで行動”している
● 優先度が高いのに先送りしてしまうタスクが多い
● 事務作業に時間を奪われ、午後の面談が組めない
● 過去の案件管理が曖昧で、フォロー漏れが頻発
→ これらが3つ以上当てはまると、年収が横ばいになりやすい。

 売上の天井を突破するための強み×ターゲット分析

売上が頭打ちになる大きな原因は「強み」と「ターゲット市場」のミスマッチです。
同じ行動量でも成果が伸びる人は、自分の強みが最も発揮される市場に絞り込んでいます。
逆に、強みと市場がズレていると契約率が不安定になり、どれだけ努力しても限界が訪れます。

MDRT達成者は例外なく“強みに合った顧客”を選んでおり、この分析こそが単価UP・紹介増加の起点となります。

まず「強み」を4つの視点で整理する

強みタイプ 具体例 相性の良い市場
関係構築型 雑談・安心感 個人・主婦層
論理型 数字・整理・説明力 小規模法人
専門知識型 税務・相続・財務 経営者・事業承継
行動型 訪問量・継続力 個人・店舗訪問

強み×市場で“どこを伸ばすか”を決める
● 関係構築型 → 個人で安定、高単価なら法人へ拡大
● 論理型 → 福利厚生・経費最適化など法人ニーズに刺さりやすい
● 専門知識型 → 事業承継・相続で一気に単価UP
● 行動型 → 個人や紹介・保険ショップで面談数を武器にする
→ MDRT最短は「専門知識×経営者」「論理型×法人」

 

売れる営業が必ずやる“ターゲット絞り込みワーク”
● 過去の成約で「楽に決まった案件」を5〜10件抽出
● 年齢・職業・悩み・相談内容の共通点を探す
● 自分の強みが一番活きた瞬間を振り返る
● その層を“最優先ターゲット”に設定する
● まず3ヶ月だけ集中してマーケットを固定

 天井突破できない人に多いパターン
● 市場が広すぎて“誰に刺さる提案なのか”が曖昧
● 低単価の個人案件に偏り、年収が伸びない
● 強みが活かせない相手ばかりと面談して苦しくなる
強み×ターゲットの再設計だけで、契約率と単価は大きく変わる。

 営業スキルを短期間で伸ばす外部研修・ロープレ活用術

売上が伸び悩む営業ほど“自己流”で戦ってしまい、改善スピードが遅くなりがちです。
短期間で成果を出すためには、自社だけで学ぶのではなく、外部研修・ロープレを“加速装置”として使うことが重要です。
特にMDRT志向の営業は「外部の成功モデル」を積極的に取り入れ、課題に合わせてスキルを補強しています。
ロープレは単なる練習ではなく、“提案のクセを見つけるデバッグ作業”として使うことで、契約率が大幅に改善します。

外部研修を活用すべき理由
● 成功者の型を最速でコピーできる(努力の方向性がズレない)
● 最新の営業トレンド・事例を得られる(商品依存から脱却)
● 社内では言いにくい弱点を客観的に指摘してもらえる

→ 自己流の限界を突破するための“スキルショートカット”。

すぐに使えるロープレ課題(効果が出る順)
1.初回面談の入口5分だけを完コピ
2.ヒアリング→価値観深掘りの質問を10個だけ固定
3.パターン提案(ベーシック・バランス・充実)を通し練習
4.テストクロージング(TC)を“5通り”練習
5.不安を持つ顧客の返答パターン(例:保険料・保障内容)を想定練習

→ フルロープレより“部分練習”が圧倒的に効果的。

自己流でやるより効果が10倍出るロープレのコツ
● 録画して見返す(クセが3分で分かる)
● 先輩より“外部プロ講師”に見てもらう(甘さなし)
● 同じ課題を3日連続で行う(一気にスキル定着)
● “緊張感のあるロープレ”を取り入れる(本番を想定)

参考:MDRT公式情報mdrt.jp

 保険営業で契約取れない限界を超える|法人・事業承継マーケットへのシフトと働き方の見直し

個人マーケットだけで売上を積み上げる働き方には、必ず“成長の上限”が訪れます。
契約率が高くても単価は上がりにくく、見込み客の枯渇・紹介の停滞・時間生産性の低下など、努力に対して成果が伸びにくい構造が存在します。

MDRT(年収約1,400万円)を目指すには、個人領域の延長では到達が難しく、法人・事業承継という“高単価・高再現性”の市場へ段階的にシフトすることが必須戦略になります。

また、市場シフトを実現するためには、商品選択肢・専門知識・チーム体制が整った環境で働くことが重要であり、場合によっては乗合代理店・外部研修・専門家連携といった“環境のアップデート”も必要です。
ここでは、個人営業の限界を超え、法人×経営者×事業承継で成果を最大化するためのステップを整理します。

 個人マーケットと法人マーケットの決定的な違い

個人マーケットと法人マーケットは同じ「保険営業」でも、求められるスキル・単価・意思決定プロセスがまったく異なります。

契約率が頭打ちになる人の多くは、個人案件の特性(単価の限界・見込み客の枯渇・紹介の不安定さ)の中で戦い続けており、努力のわりに成果が伸びにくい構造に縛られています。

一方、法人マーケットは“必要性の高さ”“課題の明確さ”“紹介の連鎖”が発生しやすく、同じ工数でも売上の伸び幅が大きいのが特徴です。
MDRTレベルを現実的に狙うなら、この構造の違いを理解した市場選択が不可欠です。

個人 vs 法人|成果が変わる“構造”の違い

比較項目 個人マーケット 法人マーケット
単価 低い(10〜30万円が中心) 高い(50〜300万円以上)
ニーズ発生 ライフイベント次第で不安定 福利厚生・節税・決算対策など“常に発生”
意思決定者 家族・本人の感情が強く影響 社長・役員が“合理的に判断”
アポ経路 口コミ・紹介依存 事業課題・税理士紹介などルートが多い
成約スピード 感情やタイミングに左右される 論点整理ができれば短期間で動きやすい
継続・紹介 個人差が大きい 経営者ネットワークで“紹介の連鎖”が起きる

 

個人マーケットの“限界が訪れる瞬間”
● 見込み客が尽きて、新規数が毎月安定しない
● 単価が上がらず、行動量の限界がくる
● 感情要素が強く、成約・解約が不安定
● 年収600〜800万円で伸びなくなるパターンが多い

 法人マーケットが圧倒的に伸びる理由
● 課題が明確(福利厚生・資金繰り・節税・役員退職金)
● 意思決定が1〜2名で完結(社長・役員)
● 単価が高く、1件で月間目標を達成することもある
● 経営者ネットワークで紹介が加速しやすい
→ “努力量”より“市場構造”で年収が決まる領域。

 MDRTを狙うなら法人マーケットが必須な理由
● 平均単価が個人の2〜5倍
● 年間成約数を増やさなくても年収が跳ね上がる
-事業承継に入れば1件で年間目標を達成するケースも
● ロープレ・提案スキルより“課題整理力”が武器になる

法人開拓の入口|既存顧客から経営者・事業主につながる導線

法人開拓を始めるうえで最も成功率が高い方法は、まったく新しい見込み客を探すのではなく、既存の個人顧客から経営者・事業主につながる導線をつくることです。

すでに信頼関係がある顧客は、家族・勤務先・取引先などのネットワークを持っており、その中には経営者やフリーランスが必ず存在します。
個人の相談の中で会社の福利厚生、職場の課題、家族が経営者である話題が出たときが、自然につながる入り口になります。

紹介依頼も「お困りごとを専門家と整理できます」という形で行えば、不招請勧誘に該当せず、あくまで相談サポートの延長として進められます。

個人から法人へと導線を意識して構築することで、ゼロから法人リストを作るよりもはるかに効率的に経営者層へアプローチでき、継続的な紹介の連鎖も生まれやすくなります。

 MDRT上位層が取り組む「事業承継・財務」の基礎知識

MDRT上位層が必ず強化している領域が、事業承継財務 の基礎知識です。
経営者は「個人保険の相談」よりも、会社の財務・資金繰り・役員退職金・相続 といった経営課題を優先しており、この領域の理解がある営業ほど信頼を獲得しやすくなります。

事業承継の初期相談では、保険の詳細よりもまず 全体像の整理(株式・相続・退職金・税金) が最も重要です。
ここを説明できるだけで、経営者の“本質的な悩み”が引き出せるようになります

また、中小企業の大半は 節税・決算対策・役員報酬設計・相続準備 に課題を抱えているため、税理士・弁護士と連携しながら論点を整理できる営業は、自然と高単価・高品質の案件に進みやすくなります。

事業承継は誤説明が許されない領域であるため、MDRT上位層ほど 専門家との協働 を前提とし、「提案」ではなく “経営課題の可視化” を提供価値にする のが特徴です。
これこそが、法人・事業主マーケットで契約単価を引き上げる最短ルートになります。

 一社専属・乗合代理店・業務委託の違いと報酬インパクト

保険営業のキャリアを考えるうえで、多くの人が迷うのが 「一社専属」「乗合代理店」「業務委託」 の違いです。
それぞれの働き方は、扱える商品数・自由度・報酬率に直結し、結果として 年収の伸び幅にも大きな差 を生みます。

一社専属は研修・サポートが手厚い一方で、扱える商品が限られ、報酬率も比較的低めです。
乗合代理店は複数社の商品を扱えるため、提案の幅が広がり、手数料率が高い分、トップ層は収入が伸びやすい のが特徴です。

業務委託は自由度が高い反面、活動量の管理・自己投資が必須で、仕組みづくりができないと収入が不安定になりがちです。
営業スタイル・顧客層・活動量によって最適な働き方は異なるため、どれが正解というわけではありません。

ただし、年収1,000万円以上を目指す中堅層の多くが、最終的に「自由度と報酬率」の高い選択肢へ移行する傾向 は明確です。

 結果が出ない時に環境を変える選択肢とキャリア戦略

契約が取れない状態が長く続くと、「自分の実力不足」と考えてしまいがちですが、実際には 環境要因 が大きく影響しているケースが少なくありません。

特に、指導者の質・研修制度・扱える商品の幅・報酬体系が固定された環境では、どれだけ努力しても数字が伸びない“構造的な壁”が存在します。

そうした時に有効なのが、環境を変えるというキャリア戦略 です。乗合代理店への移籍で提案の幅が広がったり、業務委託スタイルで自由度を得ることで、強みを活かした活動に専念できるようになるケースは多くあります。

また、法人・事業承継マーケットへシフトすることで、単価の高い案件にアクセスできるようになり、年収の上限値が大きく伸びる可能性も生まれます。

大切なのは、現状に固執するのではなく、
「いまの環境で伸びない理由は何か」→「どんな環境なら伸びるのか」 を冷静に見極めることです。
環境を変えることは逃げではなく、むしろ成功者が当たり前に行っている戦略的な判断といえます。

まとめ:「契約取れない」状態から年収アップ・MDRTへ近づく4つのステップ

今回の記事では、「保険営業 契約取れない」と検索したくなる状況から抜け出し、年収アップ・MDRT達成に近づくためのポイントを、以下の観点から整理しました。

● 契約不振を“自分の能力だけの問題”と決めつけず、【人・商品・プロセス・環境】の4分類で原因を可視化すること
● 焦った売り込み・初回からの商品説明・御用聞き営業・他社否定・学習停止といったNG行動を手放し、成約率の下がる習慣を一つずつ削ること
● 成約率×単価×活動量という「自分の年収モデル」を数字で把握し、強み×ターゲットに合わせて市場・営業スタイルを最適化すること
● 個人マーケットだけにとどまらず、法人・事業承継マーケットや乗合代理店等へのシフトも視野に入れ、“環境”ごと設計し直すこと

保険営業は、成果が出ない時期があるからこそ、自分の限界や適性を疑いたくなる仕事です。
ですが、多くの場合「あなたがダメ」なのではなく、「戦う市場」「プロセスの組み立て」「環境の選び方」が最適化されていないだけです。

原因を構造的に分解し、数字とプロセスで営業を設計し直せば、「契約が取れない」という悩みは、やがて“伸びしろの出発点”に変わります。
今日感じている不安や行き詰まりも、MDRTレベルへ向かうための通過点だと捉え、できる一歩から着実に改善を積み上げていきましょう。

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