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保険営業・個人で勝ち残る!MDRTが実践する安定収入の法則

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  3. 保険営業・個人で勝ち残る!MDRTが実践する安定収入の法則

「個人の保険営業で、努力しても成果が安定しないのはなぜだろう?」
そう感じたことはありませんか。
紹介が途切れれば契約も止まり、数字の波に振り回される――。

一方で、MDRT(世界上位の保険営業パーソン)と呼ばれる人たちは、同じ環境でも成果を“積み上げる”仕組みを持っています。
本記事では、個人営業として安定収入を実現するための3つの思考法を紹介します。

「売る」ではなく「信頼を築く」ことが、キャリアを変える第一歩。
その核心は、少し意外なところにあります。

▼法人シフトを実現したい保険営業におすすめ

目次

 保険営業マンの働き方を整理しよう|「個人事業主型」が多い理由

保険営業は「雇用形態の多様さ」が特徴です。
正社員として安定を重視する人もいれば、契約社員として柔軟に働く人、そして完全成果報酬で独立性を高める個人事業主型(業務委託契約)を選ぶ人もいます。

まずは、それぞれの仕組みと報酬構造の違いを理解することで、自分に最適なキャリア戦略を立てやすくなります。

 正社員・契約社員・個人事業主の違いと業界の仕組み

保険営業の雇用形態は、大きく次の3種類に分かれます。

雇用形態 契約関係 給与体系 社会保険
正社員 雇用契約 固定給+歩合 加入(厚生年金・健康保険など)
契約社員 雇用契約(有期) 固定給+歩合 加入(契約内容による)
個人事業主 業務委託契約 完全歩合制(報酬=成果) 原則、国民健康保険・国民年金

生命保険会社や損害保険会社の一部では、営業員を「業務委託契約」で登録する制度を採用しています。
これは、社員ではなく独立した販売代理人として契約を結ぶ形式です。

雇用保険・厚生年金の加入はなく、報酬は販売実績に応じて支払われます。
報酬の源泉徴収や確定申告は国税庁の「事業所得」区分に該当するため、自ら申告が必要です。

参考:
厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)>保険営業」
国税庁「所得税基本通達」
日本生命・第一生命・明治安田生命 各社の募集要項ページ(雇用・委託の別明記)

 なぜ多くの営業マンが業務委託契約(フルコミッション)を選ぶのか

業務委託契約を選ぶ最大の理由は、「収入の上限がない」という点にあります。
努力次第で固定給以上の成果を上げられる可能性があり、MDRT(年収約1,400万円)を目指す営業パーソンの多くが、この仕組みを活用しています。

加えて、次のようなメリットがあります。
● 自分の裁量で時間を使える(訪問・面談・SNS発信などの選択が自由)
● 営業エリアや顧客層を制限されない
● 経費計上や青色申告による節税が可能(国税庁の制度に基づく)

一方で、固定給がない=安定性が低い点も事実です。
したがって、長期的に成果を出すには、紹介・リピート営業などの「仕組み化」が不可欠です。
保険営業を“個人の仕事”ではなく、“事業として設計”する意識が求められます。

参考:
MDRT日本会「2025年度MDRT入会基準」
国税庁「青色申告制度の概要」

 「自由」と「成果責任」がセットになる個人営業の現実

個人事業主型の保険営業は、「自由度の高さ」と「成果責任の重さ」が常に表裏一体です。
スケジュールや営業手法を自由に決められる反面、成果が出なければ収入はゼロという厳しい現実もあります。

また、社会保険や年金の自己負担、確定申告の手間、経費の管理なども避けて通れません。
それでも、多くの営業マンがこの形態に魅力を感じるのは、「自分のブランドで勝負できる」からです。
実績を積み、顧客基盤を築けば、独立代理店や法人化という次のステージも見えてきます。

つまり、個人営業は“終点”ではなく、“経営者への入口”でもあるのです。

参考:
厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)>保険営業」
国税庁「確定申告の手引」

 個人営業マンが直面する3つの壁|伸び悩みの原因を分析

個人顧客を中心に活動する保険営業マンは、一定の成果を上げた後に「成長の停滞期」に入りやすい傾向があります。
その要因は主に以下の3点に集約されます。

1.新規顧客の獲得が難しくなる「紹介依存型営業の限界」
2.契約単価・リピート率の伸び悩み
3.成果が安定しづらい報酬構造とモチベーション管理

ここでは、それぞれの構造的課題と背景を整理し、次のステップへ進むための思考整理を行います。

新規開拓が限界に達する「紹介依存型」の営業構造

個人営業の多くは、知人紹介や口コミに依存する営業スタイルでスタートします。
この方法は信頼性が高い反面、次のような課題を抱えやすい点が指摘されています。

● 紹介リソースには限りがあり、一定期間で枯渇する
● 新規顧客獲得コスト(時間・移動・人脈構築)が上昇しやすい
● 保険業法により、不招請勧誘(顧客の依頼なしの電話・訪問)が禁止されているため、営業手法に制約がある

このため、紹介ルートに頼り切る営業構造では持続的な顧客基盤の拡大が難しくなるのが現実です。
公的機関である金融庁も「保険募集における適正な勧誘と顧客対応の徹底」を求めており、ルールを守りながら成果を上げるには、顧客管理・紹介設計・オンライン情報発信などの“仕組み営業”が不可欠です。

参考:金融庁「保険業法施行規則」「保険募集に関する指針」

 契約単価の低さとリピート率の伸び悩み

厚生労働省の「職業情報提供サイト(job tag)」によると、保険営業職の平均年収は約500万円とされています。
(出典:厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)>保険営業」)

この数字は、新規契約・更新契約・追加契約といった複数の収益源を平均化したものであり、とくに個人顧客中心の営業では次のような課題が見られます。

● 一件あたりの契約単価が低く、短期更新型の契約が多い
● 契約更新や見直し提案の頻度が不安定
● 顧客維持率が低下すると、収入の波が大きくなる

つまり、契約件数を増やすだけでは収入が安定しにくい構造です。

金融庁が公表する「顧客本位の業務運営に関する原則」でも、「長期的な顧客関係の維持」が重要視されており、一度の契約よりも継続的なフォローアップやライフイベントごとの見直し提案が評価される傾向にあります。

そのため、個人営業マンが年収アップや安定を目指す場合、単発契約型から脱却し、顧客の人生設計を支える提案力(FP・保障設計スキル)を磨くことが不可欠です。

参考:
厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)>保険営業(生命保険・損害保険)」
金融庁「顧客本位の業務運営に関する原則」

 成果が安定しにくい報酬体系とモチベーションの波

保険営業職の多くは、歩合制・インセンティブ型の報酬体系を採用しています。
これは努力次第で大きく稼げる魅力がある一方、以下のような構造的課題を持ちます。

● 契約件数が減少すると、報酬が大きく下がる
● 月ごとの成果変動が生活・心理面に影響を与えやすい
● 営業経費(交通費・通信費・交際費など)を自己負担するケースが多い

このため、安定収入と成果連動性のバランスを取ることがキャリア形成の鍵となります。
厚労省統計(job tag)によれば、保険営業職の労働時間は平均週41.9時間で、一般職よりも変動が大きい傾向が報告されています。

成果を継続的に出すためには、「計画的な行動設計」「定期的な休養・学習時間の確保」など、自律的なモチベーション管理が欠かせません。

参考:厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)>保険営業>就業実態」

 個人事業主として働くメリットとデメリット

保険営業マンの中には、会社員(雇用契約)ではなく、個人事業主(業務委託契約)として活動する人も増えています。
この働き方は「自由度が高い」一方で、「社会保障・税務などを自分で管理する責任」も発生します。
ここでは、保険営業マンが個人事業主として働く際の代表的なメリットとデメリットを整理します。

頑張りが収入に直結するフルコミッションの魅力

個人事業主型の保険営業では、報酬が契約件数・契約金額に比例する完全歩合制(フルコミッション)となるケースが多くあります。

厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」によると、保険営業職の平均年収は約500万円ですが、成果を上げた営業マンは平均を大きく上回る報酬を得ることも可能です。

このように、努力がそのまま収入に反映される点が最大の魅力です。
勤務時間や営業手法をある程度自分で設計できるため、成果主義を好む人や自律的に働きたい人に向いた形態といえます。

参考:厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)>保険営業(生命保険・損害保険)」

 経費計上・節税など「事業経営者」としての自由度

個人事業主として得た収入は、税法上「事業所得」として扱われます。
国税庁の定義によると、事業所得は「事業によって得た収入から必要経費を差し引いた金額」で計算されます。

このため、以下のような営業活動に要する費用は、必要経費として計上可能です。

● 交通費(訪問・出張のための移動費)
● 通信費(携帯電話・インターネット利用料)
● 事務用品費・広告宣伝費など

また、帳簿を備え付けて青色申告を行えば、最大65万円の特別控除を受けることも可能です。
こうした制度を活用することで、経営者的な視点から「自分で利益構造をデザインする自由」を持てる点が、個人事業主の大きな利点です。

参考:
国税庁「事業所得の課税のしくみ」
国税庁「青色申告制度の概要」

 社会保険・年金・確定申告など“自分で守る”責任

一方で、個人事業主になると、社会保障制度が会社員時代と大きく変わります。

項目 会社員(雇用契約) 個人事業主(業務委託)
健康保険 会社の社会保険に加入(事業主と折半) 自ら国民健康保険に加入
年金制度 厚生年金(会社と折半) 国民年金(全額自己負担)
雇用保険 加入あり 原則加入なし
税務処理 年末調整を会社が実施 自分で確定申告を行う

このように、保険料や税務処理を自分で管理する必要があります。
たとえば2025年度の国民年金保険料は月額17,510円(年間210,120円)で、全額を自己負担します。
確定申告も毎年2月16日〜3月15日に行う必要があり、帳簿管理や領収書の保存が欠かせません。

参考:
日本年金機構「国民年金保険料額(2025年度)」
国税庁「確定申告の手引」

 安定よりも裁量を重視する人に向く働き方

個人事業主型の働き方は、安定よりも挑戦や自由を重視する人に適しています。
会社員のように固定給や福利厚生の保証はありませんが、
「自分の努力・判断・計画」で成果を伸ばせるという経営者的な成長環境が手に入ります。

一方で、成果が出ない期間のリスクをどうカバーするかも重要です。
収入の波を想定した資金計画や、税務・社会保険の基礎知識を身につけておくことが、長期的な安定につながります。
自分のキャリア観に合った働き方を選ぶことが、後悔しない第一歩となるでしょう。

参考:
厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」
国税庁「個人事業主の税務手続の流れ」

▼法人シフトを実現したい保険営業におすすめ

 確定申告・経費処理の実務ガイド|税務知識は年収アップの武器

個人事業主として活動する保険営業マンにとって、税務知識は「手取りを守るスキル」です。
正しい申告・経費処理を行うことで、不要な税負担を避け、事業基盤を強化することができます。

ここでは、確定申告の基本から青色申告・インボイス制度まで、営業活動に欠かせない実務知識を整理します。

 給与所得と事業所得の違いを押さえる

国税庁によると、所得はその性質に応じて10種類に分類されます。
保険営業マンの場合、雇用契約に基づく報酬は「給与所得」、業務委託契約による報酬は「事業所得」として扱われます。

項目 給与所得(会社員等) 事業所得(個人事業主)
契約形態 雇用契約 業務委託契約
所得の算出方法 支給額 − 給与所得控除 売上 − 必要経費
税務処理 年末調整を会社が実施 自分で確定申告を行う
控除制度 給与所得控除(自動) 必要経費・青色申告控除など

給与所得者は会社が源泉徴収と年末調整を代行しますが、個人事業主はすべて自己申告が必要です。
特に「事業所得」では、帳簿付け・領収書保存・経費の正確な分類が求められます。

参考:
国税庁「所得税の課税のしくみ」
国税庁「事業所得の課税のしくみ」

交通費・交際費・通信費など経費計上の基本

国税庁の定義によると、経費(必要経費)とは「その年の総収入金額を得るために直接必要な費用」とされています。
主な経費項目は次のとおりです。

区分 内容例 留意点
交通費 訪問・商談の電車・バス代、ガソリン代 私用分を除き、業務目的が明確な領収書を保存
通信費 携帯電話・インターネット通信料 業務使用分の割合を明記(家計と分ける)
交際費 顧客との面談時の飲食費 金額・目的・相手名を記録(過剰支出は避ける)
消耗品費 文房具・印刷物・名刺など 一件10万円未満の物品購入が対象目安

経費計上の誤りや過大申告は税務署の指摘対象となる場合があります。
一方で、正しく処理すれば税負担を減らし、事業運営の効率を高めることができます。

参考:
国税庁「必要経費に算入できる金額」
国税庁「所得税法第37条」

 青色申告とインボイス制度対応のポイント

青色申告のメリット
青色申告とは、一定の帳簿を備え付け、正確に記帳して申告する制度です。
主なメリットは次の通りです。

● 最大65万円の特別控除を受けられる(e-Taxまたは複式簿記)
● 家族への給与を「専従者給与」として経費にできる
● 赤字(損失)を翌年以降3年間繰り越せる
● 正確な帳簿記帳と申告が前提となるため、日々の記録管理が重要です。

インボイス制度(適格請求書等保存方式)

2023年10月に導入されたインボイス制度により、個人事業主も適格請求書発行事業者の登録が必要になる場合があります。
登録を行うと、発行した請求書をもとに取引先が仕入税額控除を受けられるため、
法人との取引を行う営業マンにとっては信頼性向上にもつながります。

参考:
国税庁「青色申告制度の概要」
国税庁「インボイス制度の概要」

 節税しながら事業基盤を整える方法

節税の目的は「税を減らすこと」ではなく、事業を健全に維持することにあります。
国税庁は、節税を目的とした過大な経費計上や所得隠しを厳しく監視しています。

そのうえで、合法的に事業を安定化させるには、次の3点がポイントです。

1.正しい経費処理と帳簿管理
記録・領収書・データを3〜7年間保存(電子帳簿保存法に準拠)

2.将来に備えた資金計画
納税資金・社会保険料・営業経費を事前に積み立てる

3.税制優遇制度の活用
小規模企業共済やiDeCoなど、国が認める節税型制度を活用

税務処理を「負担」ではなく「経営の一部」と捉えることが、個人事業主としての安定と成長の第一歩となります。

参考:
国税庁「電子帳簿保存法の概要」
中小企業庁「小規模企業共済制度」

 個人営業からの次のステップ|法人営業・独立へのキャリア戦略

個人顧客を中心に活動してきた保険営業マンの中には、「紹介営業の限界」や「単価・成約率の伸び悩み」をきっかけに、法人営業・独立・代理店化など、次のステージを目指す人が増えています。

法人営業では、顧客が個人から「会社・経営者」へ変わることで、求められる視点やスキルも大きく変化します。
ここでは、法人営業への転換と独立後のキャリア形成に必要な考え方と行動指針を整理します。

 法人営業に必要な考え方とアプローチスキル

法人営業では、提案相手が「経営者・財務責任者」となるため、個人向け営業とは異なる以下の3つの力が求められます。

重要スキル 概要 公的指針
経営理解力 企業の財務・人事・課題を理解し、合理的提案を行う力 中小企業庁「中小企業白書」より、経営支援には財務・雇用・事業承継の理解が不可欠と明示
コンサルティング力 経営課題を可視化し、保障や福利厚生を含めた改善策を提示 金融庁「顧客本位の業務運営原則」においても、顧客利益に基づく提案姿勢が重視される
情報整理力 業種・企業規模・税制の違いを理解して提案を調整 財務省「法人税法基本通達」により、企業規模別の税務構造が異なる点に留意

このように、法人営業では「商品を売る力」ではなく、経営者の意思決定を支援する力=経営コンサルティブ営業が求められます。

 参考:
中小企業庁「中小企業白書」
金融庁「顧客本位の業務運営に関する原則」

 事業承継・福利厚生など法人提案の成功パターン

中小企業の経営課題として、事業承継・人材確保・福利厚生整備は長年上位に挙げられています。
中小企業庁の調査によれば、経営者の高齢化に伴い、後継者不在率は約6割に達しています(2025年度時点)。
法人営業では、こうした課題に対して次のような提案パターンが効果的です。

● 事業承継対策:生命保険・退職金準備・株式移転など、経営権移行時の資金準備に関するコンサルティング
● 福利厚生制度支援:企業型確定拠出年金、医療・所得補償保険、従業員の退職給付制度など
● リスクマネジメント:役員・従業員の死亡・病気リスクへの備えを含めた組織防衛策

これらの提案を行う際には、税理士・社労士など専門家との連携が重要です。
金融庁も「複合的な課題を抱える企業に対しては、外部専門人材との協働が望ましい」と指針を示しています。

参考:
中小企業庁「2025年度版 中小企業白書」
金融庁「金融仲介の質の向上に向けた取組」

個人営業の経験を法人開拓に転換する方法

個人営業で培った「ヒアリング力・信頼構築力・説明力」は、法人営業でも強みになります。
その上で、法人向けに転換するには、次の3つのステップが効果的です。

1.顧客層を広げる
既存顧客の中から経営者・自営業者を特定し、法人提案のきっかけを作る。

2.商談単価を引き上げる
企業全体(役員+従業員)を対象としたリスクマネジメント提案に拡張。

3.情報発信・専門性の明示
自分の専門分野(福利厚生・事業承継・資金運用など)を明確化し、信頼を得る。

厚生労働省のデータによると、保険営業職の平均年収は約500万円ですが、法人営業領域で成果を上げた場合には、MDRT基準(約1,400万円)以上に到達する事例も報告されています。
これは、「顧客単価の上昇」と「継続契約率の向上」が両立した結果といえます。


参考:
厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」
MDRT日本会「2025年度MDRT入会基準」

 代理店・FC・独立という選択肢の違い

個人営業マンが法人営業を経て独立を目指す場合、最終的な働き方の選択肢は大きく分けて次の3つです。

働き方 契約形態 特徴 主な留意点
保険代理店 法人設立または個人事業主登録 保険会社と代理店契約を結び、複数社の商品を扱える 金融庁への登録・定期的な業務報告が必要
フランチャイズ(FC)加盟 加盟契約 ブランド・研修・営業支援を受けながら独立可能 加盟金・ロイヤリティが発生
完全独立 自社ブランドを立ち上げ 完全な自由と裁量を持つ 資金・顧客・許認可の全責任を負う

保険代理店を設立する場合は、金融庁の「保険募集人登録」制度に基づき、営業所・管理者・体制整備に関する基準を満たす必要があります。
中小企業庁は独立開業支援に関する施策も提供しており、起業支援金や小規模企業共済などの制度活用も検討対象となります。


参考:
金融庁「保険募集人登録制度の概要」
中小企業庁「創業・事業承継支援策」

 成果を安定化させるMDRT営業の思考法

MDRT(Million Dollar Round Table)は、生命保険・金融サービス業界で高い倫理観と成果を両立する営業パーソンの国際基準です。
厚生労働省の統計によると、保険営業職の平均年収は約500万円ですが、MDRT会員の基準年収は約1,400万円に達します(MDRT日本会基準・2025年度)。

その差を生むのは「努力量」だけでなく、安定的に成果を積み上げる仕組みと考え方です。
ここでは、個人営業マンが成果を安定化させるために押さえておきたい4つの思考法を紹介します。

紹介依存から脱却するリード獲得設計

個人営業では「紹介頼み」になりやすく、顧客基盤が枯渇すると売上が急減するリスクがあります。
この課題を克服するためには、複数チャネルでのリード設計が鍵になります。


主なポイント
● 既存顧客の定期フォロー:契約見直し・ライフイベント更新時に自然な再接点を持つ
● セミナー・勉強会の開催:直接勧誘ではなく、知識共有を目的とした情報発信として行う
● 紹介スキームの仕組み化:顧客満足度を高め、紹介が自発的に生まれる導線を整備


金融庁の「顧客本位の業務運営に関する原則」でも、“顧客利益の最大化を目的とする営業活動”が求められています。
短期的な獲得より、信頼に基づいた長期関係づくりが成果安定化の出発点です。

参考:金融庁「顧客本位の業務運営に関する原則」

信頼構築をベースにした“売り込まない営業”

MDRT会員に共通するのは、顧客との信頼構築を最優先する姿勢です。
「売り込む」よりも、「相手の人生・事業計画を理解する」ことを軸に置くことが重要です。

実践のポイント
● 初回面談ではヒアリング重視(商品説明より課題整理)
● 顧客の将来目標を可視化(教育費・老後資金・事業承継など)
● 提案は複数シナリオで比較(リスク・保障・負担を客観的に提示)


金融庁の指針でも、勧誘時における虚偽説明や誇大広告は禁止されています。
そのため、「必ず得する」ではなく「どの選択が現実的か」を共に考える営業が、長期的信頼を築く鍵となります。

参考:金融庁「保険募集に関する指針」

継続契約と単価アップを両立する顧客戦略

成果を安定化させるには、「契約件数」よりも契約の質(単価・継続率)に注力する必要があります。
厚生労働省によると、保険営業職の労働時間は週平均約41.9時間であり、限られた時間の中で効率的な提案設計が求められます。

安定した顧客戦略の3原則:

1.契約更新時の価値再提案:単なる更新ではなく、ライフイベントに合わせた見直しを行う
2.高単価顧客層の開拓:法人経営者・資産家など、保険以外の経営課題を扱える領域へ拡大
3.契約後フォローの定期化:年1回以上の点検をルーティン化し、紹介・再契約の機会に転換

結果的に、顧客維持率と平均単価の双方が上がる構造が生まれます。
MDRT到達者の多くは、この「継続率管理」を営業活動の中心に据えています。

参考:
厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」
MDRT日本会「2025年度MDRT入会基準」

 年収1000万〜2000万層が実践する時間管理術

高成果層(MDRT・COTクラス)に共通するもう一つの特徴は、時間配分の最適化です。
単純な長時間労働ではなく、「どの時間を価値ある活動に使うか」が重視されます。

実践ポイント
● 1日の業務を「収益時間」と「管理時間」に分ける
● 商談・提案以外の作業(入力・資料作成)は自動化または外注
● 自己研鑽(読書・FP資格・セミナー)を週単位で確保

中小企業庁の調査でも、時間管理・業務効率化は生産性向上の鍵とされています。
「時間=成果」の発想ではなく、「仕組み=成果」への転換が、安定収入層に共通する思考法です。

参考:
中小企業庁「中小企業白書」
厚生労働省「働き方改革に関する実態調査」

まとめ|「個人営業」から“経営者的視点”へのシフトが成功の鍵

今回の記事では、保険営業マンが「個人営業から法人・独立・MDRTへと成長していくための道筋」について、以下のポイントを整理しました。

● 個人営業の限界と課題を理解し、紹介依存から脱却する仕組みを整えること
● 税務・社会保険・確定申告の基礎知識を持ち、個人事業主としての責任と自由を両立すること
● 法人営業・事業承継分野では、経営者視点を学び、顧客本位の提案を実践すること
● MDRT層が実践する行動習慣と時間管理術を通じ、成果を安定的に積み上げる思考法を身につけること

保険営業という仕事は、「数字に追われる職種」ではなく、「人生に寄り添う専門職」として社会的意義を持っています。
成果を上げ続ける人ほど、法令順守・誠実な姿勢・顧客理解力を大切にしています。

制度や報酬の仕組みを正しく理解し、自分の強みと価値観に合った働き方を選ぶことが、年収アップとキャリア安定を両立する第一歩になるでしょう。

▼法人シフトを実現したい保険営業におすすめ

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